今年、人類を襲った新型コロナウイルス感染症は、医療問題を越えた未曾有の社会問題として世界中のあらゆる人々に影響を及ぼし、人命のみならず多くの産業、社会活動が多大な制限、損失を受けることになりました。しかし、「病院の中にいる人間だけでは到底解決できない」コロナ禍において、医療従事者だけではなく社会の一人一人が当事者として感染拡大の防止に取り組めたことは、医療を新たなステージに導く福音と言えるかもしれません。「コロナ」という共通言語のおかげで、職場でも家庭でも誰もが当事者として「医療」について話し合い、正しい感染対策を実施するために医療内外の垣根を越えて多分野の専門家同士が協力しあう姿が多く見られるようになりました。コロナのような共通課題をきっかけに、医療従事者と社会の様々な人々が同じテーブルにつき、課題解決に向けて手を取り合っていくことが、社会基点から医療をアップデートし、「人々の生活に真に貢献する医療」を実現するための鍵となるはずです。
病院マーケティングサミットJAPAN2020では、医療のプレーヤーを「病院の中」だけでなく「病院の外(社会)」にも広げ、社会の全員で「人々の生活に真に貢献する医療」を一緒に考えていける場を創出したいと考えています。そのため病院広報・マーケティングを中心とした従来のコアプログラムに加え、社会課題×医療をテーマとした多様なプログラムを企画しております。多分野の専門家と医療現場のエキスパートの活発なクロストークや、コメント&投票システムを使って参加者全員で医療課題を考えるディスカッションなどを盛り込んだセッション構成としておりますのでどうぞお楽しみに。また、登壇者を含めた参加者同士が自由に交流できるインタラクティブなオンライン会場(EventHub)を用意しております。分野、組織、立場を越えた新たな出会い、新たな共創の場として多くの方に本会を活用していただけることを期待しております。
病院マーケティングサミットJAPANは、「人々の生活に真に貢献する医療」を真面目に考えていく医学学会ですが、その反面学会らしくない学会でもあります。医療をより良くするための垣根を越えた人to人のコミュニケーションで一番大切なことは、「楽しさを誰かと共有する」ことです。例年ご参加いただく病院経営・広報、臨床、研究開発、介護福祉、ヘルスケア関連企業の関係者の方々はもちろん、健康経営、飲食、小売、観光宿泊、ICT、教育、エンターテイメントなどの産業界の皆様や、これまで医学学会なんて他人事だと思っていた学生や主婦、高齢者の皆様も是非お気軽にご参加ください。サミットで繋がった誰かと誰かが「あのセッション、面白かったね!」と笑顔で楽しく話をしてくれたら、これ以上嬉しいことはありません。皆様と一緒に、「病院の中だけで完結していた医療」を卒業し、「社会全体で向き合い、全員で考えていく医療」を目指す第一歩を踏み出す5日間となれば幸いです。誰にとっても散々な年だった2020年ですが、最後くらい皆で目一杯楽しんで「良い締め括り」としましょう!
一般社団法人病院マーケティングサミットJAPAN 理事
竹田 陽介、松本 卓、小山 晃英、岸 拓弥
病院マーケティングサミット JAPAN 2020実行委員会
一同