由緒ある日本ハイパーサーミア学会第41回大会の特別講演で、
【共創から始める「愛され学会」のつくり方〜温熱仲間をどう増やす?〜】と題して、お話させていただきました。
ハイパーサーミア(温熱療法)は、放射線治療や化学療法との併用で優れた効果を発揮するがん治療として、近年注目が高まっており、今後は免疫療法や様々な新規がん治療薬との併用で飛躍的な進歩も期待されています。
私の母校、宇都宮高校の大先輩でもある大会長の黒崎 弘正先生、ご盛会、誠におめでとうございます。
特別講演という栄誉ある舞台で、黒崎先輩に座長を務めていただいたことが大変嬉しく、忘れられない学会になりました。
放射線治療医の先生方を中心に、これから益々ハイパーサーミアにおける多分野・多職種の協調が活発になり、未来の医療を切り拓く新しい共創につながることを心より祈念しております。
#日本ハイパーサーミア学会
#第41回大会
#温熱仲間を増やす
#タワーホール船堀
#病院マーケティングサミットJAPAN
#学会プロデュース部
特別講演抄録
【共創から始める「愛され学会」のつくり方〜温熱仲間をどう増やす?〜】
障害や性別、年齢などあらゆる多様性を包括した「共生社会」の中で、医療の役割も徐々に変わりつつあります。これまで「人体の専門家」として医学に基づいた医療を提供してきた病院が、医療に留まらず「地域の人々の暮らし」に関わる機会が各地で増えてきました。
人体の健全性だけではなく、人生のすこやかさ(ウェルビーイング)を多様な個々人がどう叶えていくか?、そのために医療・介護・福祉として出来ることは何か?、そういった視点から各地の病院が地域社会へのさらなる貢献を目指しています。
「病気を治す」役割に加えて、「すこやかな暮らしを皆で考え、育んでいく場所」として、地域住民や企業との交流、連携を積極的に進めることで、患者に限らず幅広い老若男女から「愛される病院」となり、病院のファンやサポーターが多く生まれています。
本邦には、専門領域ごとに細分化された非常に多くの学会が存在しますが、コロナを経て、いくつかの中小学会の持続可能性に警鐘が鳴らされています。
これからの学会組織には、従来の学術活動に加えて、「専門家の集まり」に留まらない幅広い「仲間づくり」が求められてます。自学会を「より良い社会づくりに貢献する学術活動の場」として、社会の広い層(市民や企業、自治体)に理解、賛同してもらうことは、次代の研究者、運営の支援者(企業など)を集めていくための鍵になります。
本講演では、昨夏のCVIT2023(循環器カテーテル治療の学会)における「脈博〜医療とエンタメでココロを揺らそう〜」の事例紹介も含め、社会に開かれた「愛され学会」のつくり方と、病院事例も参考にした学会の新しい仲間づくりの可能性をお話します。
社会との新しい接点・交流を通じて、学会が「社会全体で学術の発展を共有し、未来を共創する場」に進化していく、次世代の学会づくりを皆様と一緒に考えていければ幸いです。