谷野 雅紀
J-Workout株式会社 COO/CTO
■ プロフィール
医療従事者を目指すさなか、脊髄損傷を患った友人より、米国サンディエゴにある世界初の脊髄損傷回復施設「Project Walk」の存在を知り、衝撃を受ける。その後、友人がPWでトレーニングを開始するため、通訳および介助者として共に渡米する(2005年)。そこでトップトレーナーとして働いていた唯一の日本人、故・渡辺淳氏と出会い、友人の介助をしながら、渡辺氏のトレーニングアシスタントを務め、自身もPWで技術研鑽を積み、PW独自資格である「脊髄損傷回復スペシャリスト」を取得する。
2007年、渡辺氏とともに日本で初の脊髄損傷者専門トレーニングスタジオ「J-Workout株式会社」を設立する。
現在、東京(江東区木場)、大阪(北区神山町)、福岡(博多区豊)のスタジオに通うクライアント数は540名。申し込み希望者は後を絶たない。また、脊髄損傷に対する再生医療やロボティクスによる治療研究が進む中で、活動は自社に留まらず共創マインドで様々な分野のエキスパートとも連携し世界に誇る脊髄損傷治療チームを創り上げている。
経営者として、ヘッドトレーナーとして奔走する日々を送る。
■ J-Workout株式会社
現在、日本には10万人以上の脊損者がおり、毎年5,000人以上が新たに脊髄損傷を負っている。受傷原因としては、交通事故 (43.7%)、高所からの落下 (28.9%)、転倒 (12.9%)、打撲・下敷き (5.5%)、スポーツ (5.4%)と続く。最近は高齢化に伴い、転倒による高齢者の脊損が増加している。
脊髄損傷はある日突然家族、恋人、そして自分自身にも起こるもの。
「一生、歩くことはできないでしょう」と医師の宣告を受けたクライアントたちの、「再び歩く」という希望を叶えるため、J-WorkoutはKnow No Limitをミッションに掲げ独自のトレーニングを提供し続ける。
年に1度、同社が主催する歩行イベントでは、実際に再歩行できるようになったクライアント達がトレーニングの成果を披露し、毎年、会場は感動の渦に包まれる。
誰の身にも起こりうる脊髄損傷。リハビリに限界がある医療施設、否応なく送り出される日常。
J-Workoutは脊損者が生きるこの二つの「場」の真ん中に位置して、トレーニングを通じて脊損者たちの機能回復及び、人生の幸せをサポートし続ける。