ディスカッサント・演者
阪本研一 / KENICHI SAKAMOTO
美濃市立美濃病院 病院長
登壇セッション
略歴
岐阜県岐阜市出身。1988年岐阜大学医学部を卒業後、同大学病院第一外科にて消化器外科医としてのキャリアを開始。
2005年に美濃市立美濃病院長に就任し経営改革に取り組み5年間で黒字化を達成する。
2015年に自治体立優良病院表彰(両協議会会長表彰)、2017年に同総務大臣賞を受賞。
黒字経営を継続する数少ない中小自治体病院の院長として情報を発信している。
2016年から日本病院会理事、2018年から全国自治体病院協議会理事。
趣味はジャズドラム。
受賞歴・論文
第62回日本病院学会 優秀演題、2012
第51回全国自治体病院学会 管理分科会推薦優秀演題、2013
阪本研一:自治体病院における事務経営部門改革の試みとその成果 日本病院会雑誌 59(11・12)1224-1227、2012
阪本研一:経営改革初期段階に行ったフラット型組織改革の成果 全国自治体病院協議会雑誌 52(3)306-308、2013
阪本研一:アンケートが現場を変える-短期集中型業務改善
第1回 新築移転への不安 病院 72(4):302-304、2013
第2回 アンケートのねらい 病院 72(5):399-401、2013
第3回 改善を望む声 病院 72(6):484-485、2013
第4回 業務改善策の作成 病院 72(7):573-575、2013
第5回 医師部門に与えたインパクト 病院 72(8):652-654、2013
第6回 病院改革はアンケートから始まった 病院 75(9):725-727、2013
阪本研一:目的達成型委員会を用いた業務改善推進~中小自治体病院の取り組み~ 全日本病院会雑誌 26(1)60-62、2015
阪本研一:平成29年度 自治体立優良病院総務大臣賞を受賞して 全国自治体病院協議会雑誌 56(9):1398-1402、2017
阪本研一:シンポジウム 育てよう病院総合医 ―日本病院会認定病院総合医― 病院総合医の必要性 ~中小自治体病院の経営改革より~ 日本病院会雑誌 65(11):1320-1345、2018
参加者へのメッセージ
「地域医療構想」「働き方改革」「医師偏在問題」の三位一体改革が進みつつある。
医師偏在問題の解決が現場に行き渡らないまま期限付きで働き方改革が進めば、常勤医師確保に窮する病院では、まず始めに救急体制の維持が困難となり地域の救急体制は大幅な再構築を迫られる。
さらに、非常勤医師に大きく依存する病院では外来体制の維持も困難となり、救急経由と合わせて急性期患者の獲得は縮小し、結果として地域医療構想で掲げられた急性期病床数の削減が自動的に進むことになるだろう。
地域医療構想の目的は少子高齢化の中で将来の医療ニーズにマッチした適正な医療供給を限られた医療資源・社会保障費で効率的に実現することにあるはずが、皆の関心は「どこの病院から病床が減らされるのか」「生き残るためにどうするか」という方向に集中し過ぎている感がある。
世の中の状況から医療の姿が大きく変わらざるを得ないことは誰にでも分るだけに、変化に対する“ある種の恐怖心”がそのような思考方向に皆を追いやっているように思える。そのような時だからこそ、必要な病院機能とは何かを真剣に考え、それを守るために努力し効率的な医療供給を実現することに集中しなければいけないと考えている。
外部環境の変化を冷静に見つめ、今までの価値観を検証しつつ、変化を恐れず迷うことなく新たな価値観に基づく
病院創りを進めることにより未来が開けるものと信じている。
サミット2019の演者紹介
あらゆる組織に必要とされるマーケティング発想―病院における実践とは?
マーケティングは難しいもの、自分とは関係ない仕事、と思われている方も多いのではないでしょうか。しかし、市場の成熟化が進む現代の日本では、あらゆる組織にマーケティング的思考が必要とされています。もちろん病院・医療機関も例外ではありません。そこで本講演ではマーケティングの理論や、フレームワークを解説するのではなく、マーケティング的な思考、そのエッセンスを皆さんが体感できるような内容を予定しています。地域の方に愛され、そして患者さんに選ばれる。ブランド力を持った病院経営、そのマーケティング、ブランディングのアプローチをお話しします。
資格
2014年から獨協医科大学病院臨床研修センター・センター長を仰せつかって、どのようにしたら獨協医科大学病院に初期臨床研修医が来てくれるか、どのようにしたら獨協医科大学の魅力を知ってもらえるか、いろいろ悩みながら戦略を練って実行してきました。病院マーケティングサミットジャパンの参加の皆様にお役に立つことがお話しできれば幸いです。